性転換手術(SRS)
性転換手術とは?
性同一性障害の治療
正式には性別再判定手術といい、英語ではSRS (Sex Reassignment Surgery) と呼ばれています。性同一性障害の患者さんの精神的な性に体を合わせるため性的外見変える手術です。
2種類の性転換手術
性器を変える手術: 生まれたときの性を患者さんの精神的な性に転換すべく性器(乳房を含む)を変える手術です。性器を変えない手術: 患者さんの精神的な性に体をより近づけるため性器以外(乳房を含む)体の部分を変える手術です。性転換手術の前段階で患者さんのホルモン転換を行います。体が女として生まれた患者さんには男性ホルモン(アンドロゲン)、体が男として生まれた患者さんには女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)を投与します。これにより、患者さんの外見は希望の性にだんだん近づきます。
性転換手術のベストタイミングは ?
性同一性障害を持った人にその症状が出始めるのは2-3歳のときだと言われています。性転換手術を早い段階で決断することにより、患者さんは自分の精神的な性と肉体的な性の矛盾に心を悩ます時間を短縮することができます。また、手術自体も幼いうちに行う方が成果が期待できます(これは特に男から女への性転換手術について明確です)。より簡単に手術後の環境に順応することができ、精神的な混乱も少なくて済むというメリットもあります。統計的に見ますと性転換手術を受ける年齢は18-21歳が最も多くなっています。性同一性障害を持つ人たちの多くが必ずしも性転換を求めていないこと、多くの国では未成年が性転換手術を受ける場合、親の許可を必要としていることがその主な理由として考えられます。
手術後の患者さんの気持ちは ?
性転換手術を受けた患者さんのほとんどは、性を変えたこと自体に満足するそうです。しかし、その人たちの多くはしばしば自分の外見にいらいらします。例えば、“男から女へ”の手術をした患者さんには、ひげ、大きな手と足、声の質、のどぼとけの存在など、手術とホルモン提供では完全に変えられない部分に不満を感じます。一方、“女から男へ”の手術をした患者さんには、新しい性器に不満を感じます。いずれにせよ、一番大切なのは、その人たちが自分の個性に合った性で生きて、まわりの人と心地よく接することができることです。